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リスクマネージメントからみた病歴診断書記入時の注意点。
最近、お客様に病歴診断書を事前に提出してもらっているにもかかわらず、明らかに未然に防ぐ事ができた、健康状態が原因である潜水時のトラブルが散見されます。例えば、小児期だけの喘息で今は起きていないとお客様がいう、あるいは昔の一度だけの中耳炎だから、といわれた場合、インストラクターの自己判断で「Yes」を「No」に記入しても良いように誘導し、その結果、潜水時に喘息発作を起こしたり、耳抜き不良でピンホールを起こしてしまう事例があるようです。単に基準で決まっているから仕方なく書いてもらっているといった程度の事務的な考えの方が、残念ながら皆さんの中には希にいらっしゃるようです。お客様に病歴診断書を書いていただく意義というものを、今一度思い出してください。インストラクターがお客様の講習やツアー引率を行う場合、事前にお客様の健康状態を知ることができる重要な情報源であり、また、「Yes」があった場合には医師のサインをもらうことによって、万一健康上の問題が原因である事故が起きた場合には、潜水を許可した医師の側にも責任が生じてくるわけです。これによってインストラクター個人の責任が分散、軽減される事になるのです。もちろん、お客様がご自分の病気を隠して記入された場合には未然にトラブルを防ぐことはできませんが、この場合にはお客様の自己責任が生じるために、やはりインストラクターの責任は軽減されるわけです。リスクマネージメントの観点から、病歴診断書の正確な記入指導と医師署名の手続きは自己防衛のために必要不可欠なことなのです。最後に、医師が病歴診断書にサインするという意味は、お客様が潜水をしても絶対に事故を起こすことがない健康状態であるという事を保証するものではなく、これからダイビングをするにあたり、明らかに問題となりうる病気がないかをチェックし、許可するものです。こういった観点からは、皆さんはたとえ医師が病歴診断書にサインをしたからといって、お客様の健康に対する注意義務が何ら軽減されることはないことを肝に命じてください。
Q&A
冬が過ぎ、ダイビング活動もだんだん増えてくるのですが、毎年この時期になると悩まされることがあります。 それは、「花粉症」です。春先から始まり、今はスギ花粉から ヒノキ花粉に代わる頃。鼻がムズムズして、くしゃみが止まらない。 眼が真っ赤になったり、かゆくなったり、涙が止まらないと 症状は様々ですが、悩まされている人も多いのでは。 花粉症がひどくなってきたここ2・3年、一つの疑問がでてきました。 それは、花粉症とダイビングの関係です。ダイビング中、レギュレーターをくわえた状態でクシャミをするぐらいならいいのですが、年間を通して3〜6月にかけて圧平衡がやりずらい事が多くなったように感じます。季節の変わり目で、体調があまり良くないのか花粉症のせいなのか・・・そこでこの機会に花粉症について、質問してみました。
・ 花粉症はダイビングにどのように影響するのですか?また、安心してダイビングをするためにどのようなアドバイスをしていけば良いのでしょうか?
耳抜き不良で来院される方のうち、約半数が耳抜きの仕方といったテクニック的に問題のある方ですが、きちんと耳抜き動作をやっている残りの半分の方のなんと90%の方がアレルギー性鼻炎検査陽性です。この方のうち、自覚的にアレルギー性鼻炎を感じていない人もいるのですが、飲み薬や場合によっては注射の治療、レーザー治療などのアレルギー性鼻炎治療を進めてゆくと、ほとんどの方は耳抜きができるようになるのです。逆にいくらひどいアレルギー性鼻炎があっても、なぜか抜ける人はいくらでもいます。インストラクターレベルの方でも、スギ花粉のシーズン中は耳が抜けないといった相談をよく受けます。中には耳のリバースブロックに困る方もいます。また、鼻粘膜の腫れはサイナススクイーズ、サイナスリバースブロックもよく引き起こします。最良なスギ花粉症治療は1月中旬〜2月始めのシーズン前から、抗アレルギー剤をきちんと予防的に服用すると、発症が遅くなるうえ、シーズン中の重症度が半分ですみます。ひどくなってから薬を使ってもなかなか効きません。予防治療でもコントロールが不良な方は来年以降に向けて、スギシーズン以外の時期にレーザー焼灼や注射による体質改善を行って治療をします。皆さんがスギ花粉症のお客様に出会った時には、耳抜きが良好であるかどうかをよくお聞きすることが重要ですが、抜けが悪い場合にはアレルギー科や耳鼻咽喉科を受診し、いろいろなアレルギー治療薬を試してもらい、地上で眠気の全く起きない、自分にあった薬を見つけることが大切だとアドバイスしてあげてください。なぜならば、地上で眠気が起きる場合には深度下でもうろうとしてしまい、適正な判断力に欠けるなどの危険な場合があるからです。すべての薬は高圧下では作用が増強するのです。また、ステロイドホルモンの内服治療は日焼けによって皮膚にシミを起こすことがあるのでおすすめできません。さらに、市販薬を含めた血管収縮剤の入りの点鼻薬は減圧症のリスクが高まったり、水中で効果が切れるとリバウンドで重度のリバースブロックを起こしやすいので潜水時の使用は禁止です。お客様にはステロイドの飲み薬と血管収縮剤の使用は控えることも併せてアドバイスしてあげれば最良です。最後に、市販のアレルギー治療内服薬の一部には潜水時に使用してはならない成分が入っているので、これも服用しないようアドバイスしたほうが良いでしょう。
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